君の一部を下さい。



ねぇ、あたしを愛して。
愛して、愛して、愛して、愛して。
そしてーー
めちゃくちゃに壊していいの。

だから、ねぇ。愛して?
セックス、しましょうよ。



外からは煩いくらいにサイレンの音。
タイムリミットが近いのよ。
この部屋にガタイの大きい男が入ってきたら、彼とは離れ離れ。

ねぇ、時間がないのよ。ねぇ。ねぇ。



「や、やめろ!誰かっ!誰か助けーー」


怯えないで。悲しくなるから。
触れられたくないの?
あぁ、そうね。あの女の血がつくなんて嫌よね。
シャワー、借りてもいいかしら。



大きな音と共に何十人という男が入ってきた。
腕を抑えられて、上にあたしの意思とは関係なくあげられる。
「容疑者確保っ!」の声と共に手首にヒンヤリとした塊がはめられた。


あと、少しだったのに。
あと、少しで彼に触れられたのにーー


邪魔するやつは許さない。
ねぇ、そうでしょう?
だって、だって。あたしと貴方の大切な時間が奪われたのよ。





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