もう一度、あの夏にもどれるなら。
旅行日記・旅行初日~2日目
・・・莉子side・・・
さて…と、準備はコレ位でいいかな。なにか忘れてるものは…
鼻歌でも歌いだしそうなほど私は今、ウキウキしていた。
これからある事を考えると楽しみ過ぎて……今朝からずっと顔がにやけてしまっている。
この計画が進み始めたのは、夏休みに入る少しだけ前の話。
高校3年生として忙しいのだから、もうすぐ受験なのだから…と、親からも先生からも言われてウンザリしてた頃。
同じ演劇部の蓮がこう話しかけてきた。
「なぁなぁなぁなぁ! 俺らって今年高3じゃん?」
…何コイツ当たり前の事言ってんだろう。そう思ったのは皆も同じらしくそうだよねー、とか当たり前だよなーとか、適当に流していた。
「違うっての!そうじゃなくてー…ホラ、この面子でそろって夏休み過ごせるのも最後だし?俺らもう部活引退だし…なんか思い出作りに行きたいなーと。」
あ、なるほど。そういう事なら面白そうだ。確かに皆大学は別々の所へ行っちゃうし…最後の思い出作りくらい誰も文句なんか言わないだろう。いやむしろ言わせない。
蓮の一言で皆の夏休みに対するテンションが一気に変わった。ただ、次のハルの一言でまた変わる事になるんだけど…
「あの……さ、ドコに行くの?俺、そんなにお金出せないよ……?」
少しオドオドした様子で小さく手を上げるハル。その姿は女の私が見ても可愛いが、問題はそれじゃない。 そうだ、お金だ…私もあまり出せない…
ハルに続いて私もお金があまりないと告げる。それを聞くと自分もあまり出せない…と思い当たる人は多いようで皆のテンションが下がってしまった。
一瞬でも楽しそうだと思った分残念に思えて仕方ない。今年の夏休みは…勉強かなぁ……
「…私の親戚に頼めば……それでも少しはお金かかるし、周りに何もないわよ?」
「「「「「「「「「「!!!!!!」」」」」」」」」」
遠い目をしだした皆に気付いたのだろう、早苗が提案してくれた。
そうだ、その手があるじゃないか! 早苗の家のおじさんはコテージを営んでいる。 我が部でも合宿(という名の旅行)で幾度か使わせてもらった事がある。
「それでもあたしらは全然構わないけどさぁ……早苗んちに迷惑じゃない?」
綾那。見た目は少々不真面目だが根は優しくていい子なのだ。それを本人に伝えると凄い勢いで怒る。
「大丈夫よ。おじさんも使われてないコテージ放置するより使った方が喜ぶだろうし…そこら辺は気にしなくていいわよ。」
「そうだよ。せっかく早苗ちゃんがいいって言ってるんだもん。ね、綾那ちゃん。遠慮しないでさ~」
早苗に花音が同調する。ほわほわとした感じの花音とスッと筋の通った早苗はあまり似たタイプとは思えない…が、不思議と気はあうんだよなぁ。
「オレは別に行っても行かなくても…そこが静かなら行く」
「おま……折角行くんだぞ?騒ぐに決まってんだろうが!」
政宗と右京。この二人もタイプとしては正反対なんだけど…クラスが同じだからかいっつも一緒にいる気がする。なんだかんだで仲良いのかな。
「と、いう事で。宿取りは早苗に任せるとして…皆で遊びにいくで決まりかな?」
「だな。今いない瑠璃には俺が伝えるとして…コレで決定か」
幼馴染の茜に日向。プラス今ここにいない瑠璃の計11人でいく事になる。
そう、これが…私達の卒業旅行の始まりだった。
さて…と、準備はコレ位でいいかな。なにか忘れてるものは…
鼻歌でも歌いだしそうなほど私は今、ウキウキしていた。
これからある事を考えると楽しみ過ぎて……今朝からずっと顔がにやけてしまっている。
この計画が進み始めたのは、夏休みに入る少しだけ前の話。
高校3年生として忙しいのだから、もうすぐ受験なのだから…と、親からも先生からも言われてウンザリしてた頃。
同じ演劇部の蓮がこう話しかけてきた。
「なぁなぁなぁなぁ! 俺らって今年高3じゃん?」
…何コイツ当たり前の事言ってんだろう。そう思ったのは皆も同じらしくそうだよねー、とか当たり前だよなーとか、適当に流していた。
「違うっての!そうじゃなくてー…ホラ、この面子でそろって夏休み過ごせるのも最後だし?俺らもう部活引退だし…なんか思い出作りに行きたいなーと。」
あ、なるほど。そういう事なら面白そうだ。確かに皆大学は別々の所へ行っちゃうし…最後の思い出作りくらい誰も文句なんか言わないだろう。いやむしろ言わせない。
蓮の一言で皆の夏休みに対するテンションが一気に変わった。ただ、次のハルの一言でまた変わる事になるんだけど…
「あの……さ、ドコに行くの?俺、そんなにお金出せないよ……?」
少しオドオドした様子で小さく手を上げるハル。その姿は女の私が見ても可愛いが、問題はそれじゃない。 そうだ、お金だ…私もあまり出せない…
ハルに続いて私もお金があまりないと告げる。それを聞くと自分もあまり出せない…と思い当たる人は多いようで皆のテンションが下がってしまった。
一瞬でも楽しそうだと思った分残念に思えて仕方ない。今年の夏休みは…勉強かなぁ……
「…私の親戚に頼めば……それでも少しはお金かかるし、周りに何もないわよ?」
「「「「「「「「「「!!!!!!」」」」」」」」」」
遠い目をしだした皆に気付いたのだろう、早苗が提案してくれた。
そうだ、その手があるじゃないか! 早苗の家のおじさんはコテージを営んでいる。 我が部でも合宿(という名の旅行)で幾度か使わせてもらった事がある。
「それでもあたしらは全然構わないけどさぁ……早苗んちに迷惑じゃない?」
綾那。見た目は少々不真面目だが根は優しくていい子なのだ。それを本人に伝えると凄い勢いで怒る。
「大丈夫よ。おじさんも使われてないコテージ放置するより使った方が喜ぶだろうし…そこら辺は気にしなくていいわよ。」
「そうだよ。せっかく早苗ちゃんがいいって言ってるんだもん。ね、綾那ちゃん。遠慮しないでさ~」
早苗に花音が同調する。ほわほわとした感じの花音とスッと筋の通った早苗はあまり似たタイプとは思えない…が、不思議と気はあうんだよなぁ。
「オレは別に行っても行かなくても…そこが静かなら行く」
「おま……折角行くんだぞ?騒ぐに決まってんだろうが!」
政宗と右京。この二人もタイプとしては正反対なんだけど…クラスが同じだからかいっつも一緒にいる気がする。なんだかんだで仲良いのかな。
「と、いう事で。宿取りは早苗に任せるとして…皆で遊びにいくで決まりかな?」
「だな。今いない瑠璃には俺が伝えるとして…コレで決定か」
幼馴染の茜に日向。プラス今ここにいない瑠璃の計11人でいく事になる。
そう、これが…私達の卒業旅行の始まりだった。