もう一度、あの夏にもどれるなら。
・・・莉子side・・・

「…莉子、大丈夫?痛そうな音したけど…」

心配そうに顔を覗きこんでくる瑠璃。

平気だよって、言おうと思ったらいきなり後ろから手首を掴まれた。

「どうしたんだよ、なぁ。茜がなんかしたのか?」

日向がいた。いつの間に後ろに…それより怖いのは、目だった。

…怖い。冷たい目だ。…その眼で見ないで欲しいとさえ思う。

ううん、何でもないの。大丈夫!

笑おうと思ったのだけどもひきつってしまったかもしれない。

ヒヤヒヤしながら笑ったフリをしていると、

「…そっか。じゃあいいんだ。瑠璃が痛そうな音とか言うから心配して。」

考えすぎだよな、って笑って離してくれた。

…少し痕が付いている。こっちの方が痛いよ…

「あ、洗いもの終わったから。今日昼いらないって奴多いし…俺も別に用意しなくていいよ、自分で作るわ。」

それじゃーな、って手を振って日向も上に上がる。

「…じゃあ、私も部屋にいるからさ、なんかあったら来てね?」

バイバイって手を振って瑠璃も上がってしまった。

…一人でここにいるのは辛いな。

私も上がろうか…いや、気分転換に外に出るのもいいかもしれないな。

…まぁ、一回部屋にもどろうかな。部屋片付けたいし。

カップを洗って電気を消して、食堂から出た。
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