記憶の片隅
タイトル未編集

出会い

…ああ。

ふっと顔にかかる風がとても心地よい。

空はもう真っ暗になっていて

星はあまり見えない。

俺がなぜこんな所に居るのか。

…ビルの12階…。

こんな高い所から落ちたら…。

一体どうなってしまうのだろう。

確実に死ぬ。…よな?

こんな場所にきた理由はただ一つ。

自殺するため。

正直―――。

もう無理だ。

じりじりと足を動かしてゆく。

…怖さは不思議となかった。


―――?


体を傾けた瞬間に見えた「者」

…天使?

真っ黒い翼の…綺麗な赤い目をした天使が

ま中学生のセーラーの様な服を身にまとって

こちらを黙って見つめていた。

…酷く冷たい目。

俺と…同じ…?


さようなら。

俺の人生。
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