溺愛†マドンナ
剣と話し始めて、ようやく思い出した。


オレ、一昨日覚悟してたじゃん。


“来るなら来い”って……バカだな、オレ。


「言っとくけど、絶対やらないからな」


「へーへー、承知しておりますよ」


“何を今更”という風に反応する剣にまたまたムカついたが、もういい。


3才の時から14年間見守り続けて来た、オレの1番愛しい子。


通常のケンカは勝てる気しないが、こちらは弱腰ではいられない。


「世那は……オレのもんだ」


あの鈍感少女が聞いたら目を皿の様に真ん丸くするであろう呟きは、オレと剣だけが知る事となった。
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