溺愛†マドンナ
こういう場合は、何も言わないで黙って見守る。


長年の秀悟との幼なじみとしての経験が、私の思考をそう動かした。


はよと静帆も、口を半分開けて秀悟を見つめ続けている。


「――――もうすぐ期末テストがあるだろう?」


ゆっくりと話し出した秀悟に、剣君が首を傾げた。


「あるけど?」


「その期末テストの主要5科目の中で、1つでもオレに点数勝てたら、世那と2人で出かけるの許してやるよ」


秀悟が言い終えた途端、ざわめきの波がA組の隅から隅までを覆い尽くした。


「秀悟、何言ってるの!?そんなのムチャだよ!!」
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