溺愛†マドンナ
あの時はA組ほぼ全員が教室にいたから、それがいなかった生徒の耳に入り、更に他クラスの人にも伝わったりで、期末テストが始まる前には全校生徒が秀悟と剣君の勝負の事を知っていた。


いつもあり得ない点数ばかりの秀悟が今回も高得点らしく、皆やはり剣君の負けだろうと思っている様だ。


剣君は英語、何点だったんだろう。


確かB組はA組の1時間前に英語だったから、恐らくこの授業が終わったら、勝負の結果が分かる。


「――那。来栖 世那!早くテスト取りに来い!」


考え事に夢中になっていた私は、鳥生先生の呼びかけに我に返った。
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