溺愛†マドンナ
私達の言葉を聞いた後、槙さんの目に今度は切なさが滲んだ気がした。


剣君が救われた?どういう事?


「槙さん、それはどういう……?」


同じ疑問を抱いたらしいはよが、グレープジュースが入ったコップに手を添えて尋ねた。


「アイツ……力也はさ。本当はいいヤツなんだよ。同じヤンキーのオレが言うのもなんだけど」


「ハァ……」


「ただ不器用っていうのか、何つーか………小さい頃はちょっとやんちゃだったのが他の子に怖がられたり、色々あったみたいでさ」


そう言って槙さんは、剣君の“色々”について私達に話してくれた。
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