溺愛†マドンナ
そ、そうだったっけ?


ああ……思い返せば確かに静帆もはよも秀悟も璃々も、最近はちょっと落ち着いて来たけど、剣君には関わらない方がいいってばっかり言ってたっけ………


「世那はそうやって周りの目や意見なんか気にしないで堂々と剣君と接してるのに、私は柿出君が好きなのに何怖がってるんだろう……ってずっと思ってたんだ」


そう言いながら笑った静帆の笑顔は、まるで暖かいものに触れたらすぐに溶けてしまう、儚い雪の様。


「静帆………」


はよが遠慮がちに名前を呼ぶと、静帆の笑顔は雪から花の様な、可憐な笑顔に変わった。
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