溺愛†マドンナ
もう金魚みたいに口をパクパクする事しか出来ずに、私は固まる。


剣君は最後に一笑いしたかと思うと、ようやく手を離してくれた。


「さぁーーてと。帰る時間遅くなっちまうし、チャッチャと宿題終わらしちまうぞ、世那」


そう言ってシャーペンを持ち直す剣君だけど、私は何かを答える事もままならぬまま、宿題は終了。


「一体何なんだろう、これ………」


“送る”と言い張る剣君を頑張って断って、1人で歩く帰り道。


私の頭の中には、同じ問題がずっとグルグルと渦巻いていたのだった。


「病院行った方が、いいのかな……」
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