溺愛†マドンナ
――――え?


いつも聞き慣れた声に、極度の緊張が一瞬治まる。


ヒョコッと静帆の後ろから顔だけを出すと、秀悟がニッコリと笑顔を私に向けていた。


「おはよう世那。どうした?萩里の後ろに隠れて。隠れんぼか?」


「秀…悟――――……」


なんで……表情も声も、いつも通りなの……


どうして変わらずに接してくれるの………


昨日確かに『幼なじみとしては変わらずに接して行こう』って約束したけど、私冷たい目で睨まれる覚悟出来てたのに……


秀悟の気遣いが嬉しくて、同時に切なくて、先程とは違った意味で半泣きになってしまう。
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