溺愛†マドンナ
幾ら何でも美術のデッサン用のニセリンゴ食べたりするかっ!!


「私そんなに食い意地張ってないわよ!!ヒドイ秀悟!!」


プンスカと怒って猛抗議すると、秀悟はクスクスと笑い出した。


「どうだか?鈍感だから気づかずに丸かじりとかしそうだけど」


「なっ……!だから私鈍感じゃないって………」


「鈍感じゃないって言うなら、自覚しろって――――…昨日言ったよな?」


秀悟の落ち着いた声が、私達以外に誰もいない美術室内に流れ出る。


今しがたまで怒っていたハズの私の勢いは、ピタリと止まった。


秀悟が私と向かい合う。
< 430 / 503 >

この作品をシェア

pagetop