溺愛†マドンナ
オレは急いで世那の背中を押して、美術室の出入口に追いやる。


「へっ!?秀悟!?」


「早く剣追いかけろ世那!多分アイツ勘違いしてるから、きちんと説明しろ!」


瞬きを何回もしている世那にそう言うと、彼女は首を傾げた。


「勘違い…?どういう事……?」


「いいから行け!早く見つけてちゃんと説明しないと、面倒な事になるぞ!!」


「ワァ!?」


まだ状況を理解出来てない世那は、美術室の扉まで来ると、不安気にオレの方を振り返った。


久し振りに剣の冷たい一面を見て、どうしようも無い恐怖心が襲って来ているのだろう。
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