溺愛†マドンナ
その恐怖心は殴られるんじゃないかとか、そういう恐怖じゃなくって、世那は自分が剣に拒絶…嫌われたと思ってる。


迷子になった小さい子供みたいな顔をしている世那を力付ける様に、しっかりと笑いかけた。


「大丈夫だって言ったろ?世那。このまま何も伝えなかったら絶対後悔するぞ。だから行ってこい!!」


「………う、んっ!!」


半泣きながらも力強く頷いた世那は、パタパタと剣が歩いて行った方向に姿を消した。


美術室に1人残され、フーーーッと息を吐くオレ。


「頑張れよ……」


天井を見上げながら呟いた瞬間、チャイムが鳴った。
< 447 / 503 >

この作品をシェア

pagetop