溺愛†マドンナ
どうやら秀悟本人は、“春の王子”と呼ばれる事が好きでは無いらしい。


なんで?と聞いても、教えてくれないんだよね。


「オレは……春のじゃなくて、お前の………」


「えっ?秀悟、何か言った?」


秀悟がボソボソ何かを呟いた様な気がして、ちょっと耳を秀悟に近づける。


その時、はよと静帆の足が止まった。


つられて私と秀悟の歩みも停止。


「何?この人だかり」


「ワッ、本当だ何だろう?」


はよの言葉に前を見てみると、廊下を塞ぐ様に生徒達の人だかりが出来ていた。


男子生徒も女子生徒も、同じ方向を眺めている。
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