溺愛†マドンナ
よっとっとっとどうにか体勢を持ち直した世那を、穴のあく程凝視しまくった。


「キス………してない?」


「うん……」


「えっ?だけどさっき美術室で立置とキスしてたじゃん」


オレの指摘に、世那は小さく眉間にシワを寄せた。


「してないよ?秀悟私のアゴ掴んで顔上に上げさせていただけだもん」


キッパリと言い切る世那はウソをついている様には見えない。


黒いモヤモヤが支配していたオレの心の中に、一筋の光が差し伸べた。


世那……立置とキスしてないのか!?


だけど、まだどこかで世那の事を疑っている自分もいる。
< 467 / 503 >

この作品をシェア

pagetop