溺愛†マドンナ
周りには今誰もいないけど、誰かが通りかかったらユーレイでもいるんじゃないかと思う位、空気が重い。


自分自身さえズッシリと肩にのし掛かる雰囲気に耐えられなくてマユを寄せていると、剣が口を開いた。


「やれやれ……爽やかでマジメな春の王子君が、こんな口の聞き方するなんて……な」


「ウルサイ。春の王子って呼ぶな」


「ハイハイ。分かりましたよ立置君」


「………立置でいい」


なんだ?コイツ何の用事も無いのか?


だったらどうして話しかけて来たんだよ……本来ならもう、図書室行って勉強している時間なのに………
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