溺愛†マドンナ
「剣。何も用件無いんだったら、オレはもう図書室行くからな」


これ以上ここにいたらイライラで目眩さえ起こしそうだったので、オレは再び図書室に向けて歩き出した。


だが、ほんの2、3歩歩いただけで、動きが止まった。




「立置……オレアイツの事気に入ったわ」




まるで今までの会話の続きの様に、サラリと剣が言った、この発言のせいで。


「………ハッ!?」


オレは平静を装うのも忘れ、勢い良く剣の方を振り返った。


腕を組み、満足気に口元を上げている剣を見ているだけで、ドッドッドッと、心臓が暴れている。
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