戦と死の神の忘れ形見


 世界は、結界期と呼ばれる時代にあった。

 遥か昔、この世界を守護する十五神王の一人である氷王の力が失われ、対立属性であった炎王の力が暴走したのである。

 世界は灼熱に包まれ、大地は赫い海となった。

 だが、人々は生活している。
 大小様々な結界を張り、結界内部をどうにか居住可能な温度まで下げたのである。

 それでもどの結界も人間の住めるギリギリの温度であり、決して住み良い気候ではなかったが。
 人間たちはどうにか生活していた。


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