トゥッティ(総奏)
第1章 悲願
フロント・ライトの位置から1メートル近くもの跳躍をして、真琴は自分の身長よりも三十センチ以上もの上背がある選手のブロード・アタックを、両腕で押さえつけるようなブロックで返し、ものの見事に相手チームのコート中央へと叩きつけた。
大歓声が真琴をつつみこんだ。
彼女の高校が全国大会に初出場するためのチケットを、今、この瞬間に、真琴は自分の両手で掴みきったのだ。
この日の為に彼女は、血の滲むようなどころか、肉を痛めつけ、骨をも軋ませるぐらいの練習を積み重ねてきた。
それこそ、数え切れないくらいの全ての努力と忍耐がむくわれた瞬間であった。
小学生の頃から憧れ続けてきたバレーボールの選手。
オリンピック中継をテレビで見たその時から、自分もいつの日かその場所に立ちたいと思い続けてきた。
周りの心ない子供達から
「お前みたいなチビ、バレーなんて無理に決まってんじゃん」
などと悪態をつかれたこともあった。
何度も何度も諦めかけたが、今はまだ小さいけれど、きっと大人になったら背丈も高くなると信じて、中学校へ入学するとすぐにバレー部の門を叩いた。
大歓声が真琴をつつみこんだ。
彼女の高校が全国大会に初出場するためのチケットを、今、この瞬間に、真琴は自分の両手で掴みきったのだ。
この日の為に彼女は、血の滲むようなどころか、肉を痛めつけ、骨をも軋ませるぐらいの練習を積み重ねてきた。
それこそ、数え切れないくらいの全ての努力と忍耐がむくわれた瞬間であった。
小学生の頃から憧れ続けてきたバレーボールの選手。
オリンピック中継をテレビで見たその時から、自分もいつの日かその場所に立ちたいと思い続けてきた。
周りの心ない子供達から
「お前みたいなチビ、バレーなんて無理に決まってんじゃん」
などと悪態をつかれたこともあった。
何度も何度も諦めかけたが、今はまだ小さいけれど、きっと大人になったら背丈も高くなると信じて、中学校へ入学するとすぐにバレー部の門を叩いた。