極上男子〜王子たちの恋愛事情〜
なんで、いるのよ。
期待しちゃうじゃん。
「俺、別れる気ない」
「なんで?その方が楓矢にとって良いことじゃんか!私がいなくなれば、好きな子と付き合えるでしょ?」
「は?好きな子?」
とぼけなくていいよ。
私、知ってるから。
「昨日の女の子。」
「いや、あいつは…」
「楓矢、笑ってた。楽しそうに話してた。」
「だから…」
「私、見たことない。楓矢のあんな顔。」
「いや、」
「だからね?」
最後の言葉、言わなきゃいけないのに、
喉に引っかかって、なかなか言えない。
いや、言いたくないんだ。
「だから!俺の話も聞けよ!」