極上男子〜王子たちの恋愛事情〜
┗After Story.〜side啓汰〜
After Story.〜side啓汰〜
恋する季節
俺が茉莉を好きになったのは、10年前のバレンタインの日だった。
ちょうど、その日。
俺は、この町へ引っ越してきた。
まだ幼かった俺は、期待と不安で胸を踊らせていた。
近くの公園に行くと、同い年くらいの女の子がいたんだ。
「ねえ、あなたって、おとなりにおひっこしてきたこだよね?」
この子、お隣さんなんだ。
「うん」
「あたしはまり!よろしくね!」
「おれは、けいた」
「けーたくんっていうんだ。
じゃあ、けーたくんにこれあげるね!」
すると茉莉はポケットをあさって
「はい、チョコレートだよ!
きょうはね、バレンタインなんだよ!
おんなのこがおとこのこにチョコレートをわたすひなの!」
「ありがとう」
小さなチロルチョコを俺に渡すと
茉莉はニコッと笑った。