極上男子〜王子たちの恋愛事情〜
私も早く教室戻ろ。
「佐倉くん、メロンパンだよ!」
「おせぇよ」
「ごめん!メロンパンが売り切れててね、どうしよーって思ってたら、悠介がメロンパンくれたんだ!」
すると、ムスッとした顔が余計に不機嫌になった。
「これ、いらない」
「え、なんで?せっかく悠介がくれたのに…」
「捨てて」
――――…捨てて?
せっかく悠介がくれたのに?
その言い方、ないんじゃない?
どこまでもワガママな佐倉くんに少しだけ、苛立ちを覚えた。
「―――…最低」
私は、カバンの中にメロンパンをしまい、教室を飛び出した。