楓と魚と私
楓と魚と私
学校の帰り道
私はいつも同じ道を通る

だから何が何処にあるか
そんなん簡単だ

彼処の曲がり角の家には犬がいる
名前は確か……シロだっけ?

その道の突き当たりは公園
いつもガキが遊んでんだよなぁ~

その道を過ぎると海に出る
何もねぇただの海

いつもかわんねぇーよ
あーあ
なんかねーかな~
そんなことだって思ってしまう

『今日もかわんねぇーよ』

期待なんか私の中にない
別に変わってほしいわけじゃねぇーよ?
でもさ、何かつまんねーんだよね

可愛い女がいるわけでも
格好いい男がいるわけでもねー
カップル何かうじゃうじゃいんのによー
世界はかわんねぇーよ

海沿いを通る
いつものことだ
でも………

『誰だアイツ…?』

みたことねぇー奴が
釣りしてやがる

『ふん?こんなつまんねー町に来んなんて
物好きな奴がいんだな』

私はその時そんなことしか
思っていなかった
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