ふりむきもしないキミ
「それで、ヒカルくんとやらを好きでいるのは止めたの?」
「……わかんない」
わかんないんだ。
自分の気持ちなのに、自分自身でよく理解してない。
否、理解出来ないんだ。
「そっか。明日休日だから髪切りに行く?」
話を変えてくれた氷那朶は優しい。
「そろそろ長いのも飽きたし、切りに行く!」
「じぁ、俺と一緒に行くか」
「うん。氷那朶は前に切ったばっかなのに?
そんなに切ってばっかだとハゲちゃうよ」
「バーカ。汐莉が髪切りに行くついでに、買いものだよ」
二人してケラケラ笑って図書室で温かい時間を過ごした。