ふりむきもしないキミ
「しおりんはさ、頑張りすぎなんだよ」
「えっ…?」
私が頑張りすぎ?
違うよ。逆に頑張ってないんだよ。
だから、今以上に頑張らないと、この先一生キミに振り返ってもらうなんて、無理になっちゃうんだよ。
「あのね、しおりんの頑張りはね。
しおりん自身気付いてないと思うんだ」
「そうだよ。汐莉は鈍感なの」
「そうそう。しおりっちは、鈍いんだよ」
亜美、氷那朶、クロエこと葉月司(はづきつかさ)の順で口々に言っていった。
「だからね、少しくらいお休みしてもいいんだよ」
ね?っと笑いながら言ってくれる、亜美に、泣きそうになりながらも、頷いた。