揺れて恋は美しく
既にお馴染みとなった瀬野がオーナーを務めるBAR。そこに美沙と瀬野の姿があった。
二人はカウンター席に座り、お酒ではなく珈琲を前に置いて話を始めようとしていた。
「ここまで来たものの、正直迷ってる」
「え?」
「話していいものかどうか」
「…はい」
「先ず、確認させてくれ」
「はい。何をですか?」
「これから話す事は、君にとって辛い事だと思う。それでも、聞いてくらるか?」
「…私に、関係があるなら。聞きたいです」
「そうか、分かった」
駅近くの楽器屋からルカと由依に玲美が出てくる。
「お前らも大分上達したな」
「ねぇ、ルカさんは何でそんなに上手いの?」
「何でって、練習したからに決まってんだろ?」
「えー、でもプロは目指してないんでしょ?」
「ああ。一人な、ギャフンと言わしたい奴がいてさ。それで」
「それってレイコさん?」
「なんで分かるんだ!?」
「…いや、分かるって」
「それよりお前ら、どうすんだ? 飲みに行くか?」
「私、見たいテレビが」
「ルカさん、今日はお休みなんですよね?」
「おうよ! だから朝まで、オーケーだぜ」
「でしたら…」
「私は駄目だよ。今日は、アイドルのー」
「カラオケに行きませんか? 皆で、出来ればラストまで」
「ほぉう、珍しいね? 玲美の方から誘ってくるなんて」
「駄目、ですか?」
「そんなの無理無理!」
「駄目なもんか! 私達でよけりゃ、朝まで付き合うよ」
「私達…」
「有り難う御座います!」
「よし! 行くか!」
「はい!」
「ねぇ…。聞いてよ…」
右からルカ、左から玲美と、左右の腕を組まれた由依は、有無を言わさず連れ去られてしまう。
「ついでに、飲むぞー!」
三人は、ある意味出口のない闇へと消えて行った。
二人はカウンター席に座り、お酒ではなく珈琲を前に置いて話を始めようとしていた。
「ここまで来たものの、正直迷ってる」
「え?」
「話していいものかどうか」
「…はい」
「先ず、確認させてくれ」
「はい。何をですか?」
「これから話す事は、君にとって辛い事だと思う。それでも、聞いてくらるか?」
「…私に、関係があるなら。聞きたいです」
「そうか、分かった」
駅近くの楽器屋からルカと由依に玲美が出てくる。
「お前らも大分上達したな」
「ねぇ、ルカさんは何でそんなに上手いの?」
「何でって、練習したからに決まってんだろ?」
「えー、でもプロは目指してないんでしょ?」
「ああ。一人な、ギャフンと言わしたい奴がいてさ。それで」
「それってレイコさん?」
「なんで分かるんだ!?」
「…いや、分かるって」
「それよりお前ら、どうすんだ? 飲みに行くか?」
「私、見たいテレビが」
「ルカさん、今日はお休みなんですよね?」
「おうよ! だから朝まで、オーケーだぜ」
「でしたら…」
「私は駄目だよ。今日は、アイドルのー」
「カラオケに行きませんか? 皆で、出来ればラストまで」
「ほぉう、珍しいね? 玲美の方から誘ってくるなんて」
「駄目、ですか?」
「そんなの無理無理!」
「駄目なもんか! 私達でよけりゃ、朝まで付き合うよ」
「私達…」
「有り難う御座います!」
「よし! 行くか!」
「はい!」
「ねぇ…。聞いてよ…」
右からルカ、左から玲美と、左右の腕を組まれた由依は、有無を言わさず連れ去られてしまう。
「ついでに、飲むぞー!」
三人は、ある意味出口のない闇へと消えて行った。