揺れて恋は美しく
バイキングスタイルの食堂で昼食を楽しむ、美沙と由依も玲美の三人。
由依が不満顔で美沙に尋ねる。
「今日も桐島蒼太とデートかい?」
「ごめん!」
両手を合わせて謝る美沙であったが、由依の表情は変わる事なく不信感を露に抗議する。
「ライブまで時間ないんだよ?」
「分かってる。明日は出るから」
「本当に?」
「あのぅ。私も今日は…」
「ええーっ!」
玲美が恐る恐る口を開きそう言うと、由依は一瞬驚くものの直ぐに上体が崩れ落ち、不貞腐れたようにぶつぶつと呟き項垂れる。
「どうせ私だけだよ、真剣なのは。皆仕方なく付き合ってくれてるだけなんだ。そうだよ。マコちゃんは恋愛中だし、玲美は元々クラシックだし、ルカさんだってレイコさんを見返したかっただけだし」
「ゆ、由依?」
「皆いいよねぇ。私には歌しかないから、今度のライブイベントは絶対成功させなきゃいけないのに、まともに練習も出来ないなんて…。きっと練習不足でライブも失敗して、私一人だけが取り残されて、夢も希望も無い惨めな人生を歩んで行くんだ。どこまでも…」
「なんか聞いた事あるような…」
「もういいよ! 行け! 皆の夢叶えるために!」
「何の事??」
やけくそのようにいい放つ由依に、訳が分からないといった表情の美沙と、冷静な面持ちで丁寧に答えを返す玲美。
「お言葉に甘えて、今日は練習を休ませて頂きます」
「はいはい。いいよいいよ。好きにしてちょうだい」
由依が不満顔で美沙に尋ねる。
「今日も桐島蒼太とデートかい?」
「ごめん!」
両手を合わせて謝る美沙であったが、由依の表情は変わる事なく不信感を露に抗議する。
「ライブまで時間ないんだよ?」
「分かってる。明日は出るから」
「本当に?」
「あのぅ。私も今日は…」
「ええーっ!」
玲美が恐る恐る口を開きそう言うと、由依は一瞬驚くものの直ぐに上体が崩れ落ち、不貞腐れたようにぶつぶつと呟き項垂れる。
「どうせ私だけだよ、真剣なのは。皆仕方なく付き合ってくれてるだけなんだ。そうだよ。マコちゃんは恋愛中だし、玲美は元々クラシックだし、ルカさんだってレイコさんを見返したかっただけだし」
「ゆ、由依?」
「皆いいよねぇ。私には歌しかないから、今度のライブイベントは絶対成功させなきゃいけないのに、まともに練習も出来ないなんて…。きっと練習不足でライブも失敗して、私一人だけが取り残されて、夢も希望も無い惨めな人生を歩んで行くんだ。どこまでも…」
「なんか聞いた事あるような…」
「もういいよ! 行け! 皆の夢叶えるために!」
「何の事??」
やけくそのようにいい放つ由依に、訳が分からないといった表情の美沙と、冷静な面持ちで丁寧に答えを返す玲美。
「お言葉に甘えて、今日は練習を休ませて頂きます」
「はいはい。いいよいいよ。好きにしてちょうだい」