キミの翼が羽ばたく時。
「おやすみ。」
お兄ちゃんに見送られ、私はベットへ寝かしつけられた。
「……ぶ~」
さっきの手前抵抗することも出来ず、なすがままにされている私がいた。宙を見上げると、部屋の影が不気味に見えてくる。

「………」

無理だ。
眠れない…。

「怖い~~」
私は布団を頭からスッポリかかると、クマ人形を抱きしめて足をバタバタさせていた。
どうも背を向けている方に視線を感じてしまったりする。

折角お兄ちゃんと出かけたのに、こんなのが最後についたら台無しだよ…。

「そうだ!」
私はそう叫ぶと、走っていって、お兄ちゃんの部屋の扉を開けた。
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