【BL】幼なじみは、ずるい奴。
気づかない振りが一番残酷って知ってるか?
俺には幼なじみがいる。
それなりに気が合って、大学まで同じ所に進学した。
家が近所って事もあって、兄弟のように育ってきた。
プライベートでも未だに行動は共にする。
今日も学校が終わって、真っ直ぐ俺の家に上がり込んできた。
「なぁ、翼(ツバサ)」
俺のベッドを占領しつつ、マンガを読み広げている幼なじみに声をかける。
「んー?」
「俺もベッド使いたいんだけど」
実は今日はテストだったために、徹夜で一睡もしていなかった。
正直ベッドに倒れ込み、今すぐにでも意識を飛ばしたい。
「えー…俺もベッドがいい。」
「あのな、それ俺のベッドなんだけど。」
「いーじゃん。陽生(ハルキ)の物は、俺の物だし。」
んでもって、俺の物も俺の物って言うんだろ?
冗談じゃない。
「いや、まじ寝不足なんだって。」
「じゃあ半分譲ってやろう。」
何でコイツこんな偉そうなんだ?
翼はそそくさとベッドの半分を空けた。