初恋*
「あたし…あたし、奏多が好きだった」
溢れる涙は、とめどなく流れて。
「でも、言えなかった!…奏多に、自分の気持ち、言えなかったーー」
だって、そうでしょう?
告白して振られたら?
今までの関係が壊れたら?
そんなの怖い。
怖くて言えない。
みんな、そうでしょう?
さっきまでの賑やかな雰囲気が
あたしの涙で一変。
こんな華やかな場で、あたしって。
本当、空気読めないやつ。
「ハナコ…だったら言っておいでよ」
「そうだよ。今日で最後だよ?
沙希がいるから振られるだろうけど、自分の気持ち言っておいでよ」
クラスメイトは、あたしを抱きしめて優しく諭すように言ってくれた。
ーー今日で最後。
今日で、最後ーー