初恋*
「お、お前っ!ははっ。やべ。ツボった。ヒー!笑える…ははは」
一頻り(ひとしきり)笑った奏多は、ふぅと落ち着かせてあたしを真っ直ぐに見つめた。
「お前、マジでサイコーすぎ」
目をつぶって口角をクッとあげて笑う奏多。
その癖、大好き。
「鈍感男なもんで。全然気付かなかった。ごめんな」
「待って!謝られたら涙腺緩むから!
早く…早く思いっきりフって!」
涙が出ないように必死なあたしを見て、奏多はすぅーと息を吸ったと思ったら、本当に思いっきり叫んだ。
「お前のこと、友達としてしか見れねー!!ごめんな、ハナコーー!」
空に向かって叫んだ、この男を
やっぱり好きだと思った。
「謝るな、バカー!虚しくなるだろうが、バカ男ー!!」
だから、あたしも空に向かって叫んだ。