魚、アクション
実に魚は物知りだった。
それは
魚をついさっきまで
所有していた男が
毎夜、毎夜
魚に色んな話を
聞かせていたからだ。

いや、
男は聞かせようと
していたのではないのかも
しれない。

ただ、
男が一人呟くそこに
魚が居たというだけのこと。

少なくとも男の部屋には
魚以外、
生命を持つものは存在しなかった。
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