俺は甘ツン野郎

恵太と拓真が来て、四人でWiiをやって過ごし、時間はとうに9時を回っていた。

「 あ… 憂里、あの、私そろそろ帰るね?明日またお昼前には来るからね 」

「 綾… 」

「 佐々木 帰るの?憂里、送ってけば?留守番しとくぞ~ 」

たぁっ!うっせー!言われなくてもっ

「 お前らに留守番なんてさせるか、送りついでにあれ持ってくぞ 」

あれとは、俺たちには大切な仲間であり、欠かせないものであり、綾女と引き会わせてくれたもの。

「 おーあれか!いいねぇ」

俺たちは綾女を送るのに、玄関に置いてあるバスケットボールを持って家を出た。

「 憂里、恵太くんも拓真くんも ごめんね、みんなで送ってもらっちゃって… 」

「 お前が気にすんな!あの二人はいないもんだと思えばいい 」

なに言ってるのと綾女が俺の背中をこずく。
その手を取り、グッと引き寄せ横目からフンッと綾女を見ると また への字口で照れを隠しているようだ。

歩いて15分ほどで公園についた。

恵太と拓真はボールをドリブルし、パスしあいながら小走りで公園内に入って行く。

後ろから手を繋いだまま二人を見ながら歩く。

「 綾女、少し遊ぶぞ?走れっ」

「 えっ、わ… ちょ、憂里!?」

俺は恵太と拓真がゴールリング下で競いあっているところまで、綾女の手を引き走った。



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