俺は甘ツン野郎
綾女だけに、親がいなくて不自由だから手伝いに来てくれって言ったんだ。
綾女は顔を少し俯かせて 頷いた。
その顔は赤らんでいて、可愛いかった。
だが、俺は内心思うだけで口には出さないし、言ってやらない。
女はなんでも言ってほしいと言うが、いちいち言っていたらキリがないだろう。
それに、綾女の可愛いさは俺だけが知っていればいいんだ。
綾女を前にして膝をついて乾かしている俺は目を閉じている。
きっと俺を見ているだろう綾女は何を考えているのか…
でも俺は 髪を乾かす事を めんどくさいと言った綾女にお仕置きを考えていた。
とりあえず、手は空いているから綾女の腰に腕を回した。
「 ちょ!憂里、なにっ乾かしにくいよ 」
お、焦ってるな?だったらもう少し締めるか。
「 もう!憂里ってば、そんなくっつかないで… 」
これがいいんだろうが。何のために お前を前にしたか、わかってねぇなぁ…
「 綾女が気持ちよく乾かすからだろ~ ほら、後ろの髪! 」
「 もう… 」
綾女を抱きしめると、気づけば早い鼓動が良く聞こえる。
ドキドキしちゃって、可愛いじゃん。
なんでこんなに心臓って早く動くんだ?