俺は甘ツン野郎
金曜のこの日、綾女が学校が終わってからすぐ行くからと言って来た時には、俺はシャワーを浴びていた。
乾かしてもらいながら、腹の虫が食べ物をよこせと要求してきた。
もっとこのままで綾女を離したくないが、腹の虫がやかましい。
俺は、顔を上げて綾女に言った。
「 飯、作って 」
「 えっ!?」
顔が強張る綾女が料理の出来ない事はしっている。
たぶん、俺より出来ないんじゃないか?
「 じゃあ… 憂里も手伝ってね?」
「 見てるだけならな 」
「 それ、手伝うって言わないじゃん 」
「 お袋定番の肉じゃが作ってよ 」
無理難題を綾女に言ってみたが、案の定、作れるわけないじゃん!って目が逃げる。
「 レトルトカレー… なんていかがかなぁ?」
綾女の適当飯な発言に、俺の眉間がピシッと寄った。
でも、俺もそれくらいしか出来ないから文句は言えないが…
「 綾女~ 適当すぎるだろうがっ!けど、今日だけそれで許してやる 」
「 ご、ごめんね憂里~ 明日はたぶん頑張るから 」
たぶん? まったく、たぶんじゃ困るっつうの!