俺は甘ツン野郎

サラダは一件落着して、カレーに手に伸ばそうとしたとき、ベシッと俺の手を叩いた綾女。

「 いって!なにすんだよっ 」

「 だ、だってルーまでひっくり返されたら困るもん!それにお湯であっためるんだよ 」

「 チンじゃねぇの?」

「 なんでもチンじゃないの!チーズ入れたいんでしょ?子供~ 」

「 子供!? お前は甘口じゃんか!どっちがだよっ 」

俺の言うことやること、いちいち 小言がついてくる。
でも綾女の笑顔が多い気がする。

エプロンしただけでもクルッと回りそうな感じだったから。

俺は俺で楽しいが、綾女もかなり楽しそうだな。

「 綾女~ お前の口はよく動くなぁ口よりも手動かせよ? 俺はテレビでも見るから出来たら呼べ 」

「 えっ 手伝うとか… 口ばっか… もう… 」

綾女のブツブツ言っている言葉すら、テレビを見ていても耳だけは目のように綾女にくぎ付けだ。

なんだかんだノンキにしていると、俺の携帯が鳴り出した。

嫌な予感… 出たらダメだとわかっているのに、反射的に手が出てしまう。

「 憂里~ 今から遊び行くからな~ 」

「 やめろ、来んな!今日は外出れねぇの、留守番人だから 」

綾女もいるしな。来られてたまるか!
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