僕だけの窓口女子
たったった。


アスファルトに革靴を叩き込み、住宅街に響き渡る。

ただいま、の挨拶を省略して階段を駆け上がり、扉を開く。


「千歳ぇっ!」


名前を叫ぶと窓際で虚空を見つめていた千歳がびくっと肩を震えさせ、こちらに振り返る。


「お帰りなさい。どうしたの、そんなに慌てて」


「いや、その」


走って帰ってきたせいで呼吸が乱れ、会話が困難になっている。ゆっくり息を吸い、何とか呼吸を整えた。


「・・・今度の地区大会の試合、レギュラーで出られるようになった」


「ホントに!?」


千歳の表情がぱあっとライトを浴びせられたようになる。


「ああ。真っ先にお前に知らせたくて、さ」


「そっかぁ、ずっと頑張ってたもんね。おめでとう」
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