僕だけの窓口女子

怪我の影響もあり、足に鉛が入っているような気分で家路に着く。練習を見学するか否かで迷ったが断り、いつもよりも早めに帰ってきた。


早く、千歳に謝るために。


僕が言ったことは単なる八つ当たりだ。中学二年にもなったのにガキ臭いことをしたと後悔する。
一刻も早く謝りたいのだが、怪我をしているので上手く階段を上れない。手摺りに掴まりながら慎重に上っていく。


やっとの思いで部屋に到着し、カーテンを開け、窓を開ける。


「･･･ち、千歳ー？」


少々気まずいが、呼ぶしかない。


「千歳、いるかー？」


返事がないのでもう一度呼ぶが千歳は出てこない。いつもだったら笑顔で迎えてくれるのに、やはり、怒っているのだろうか。


窓を閉めようとした時、ふっと人影が見えた。


「千歳っ」