僕だけの窓口女子
彼女の名は神崎千歳。

僕と同じ14歳。つまり、同じ年。


僕は小窓に両腕を垂らし、千歳に問い掛ける。


「…そんなに、俺が羨ましい?」


「うん。だって、本当に楽しいそうなんだもん」


胸にチクッと来た。
また、ネガティブな話をしてしまったと後悔する。


千歳は重い病気に罹っているのだ。

手足も不自由で、窓から微かに見える車椅子の背もたれが現実を感じさせる。


父親は小さい頃亡くなってしまい、悲しみに暮れる中病気が発覚してしまったという。
以来、母親は朝から晩まで働きに出てしまい、常に千歳は家で一人ぼっち。


学校にも行けずにいた。


そんな彼女の話し相手は僕だった。
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