僕だけの窓口女子
千歳と話し始めたのは些細なきっかけだった。


中学に入学して、僕はバスケ部に入った。
入部理由は漫画とアニメに憧れたという単純な理由。


それから、身長が伸びると思ったから。


だが、部活は予想以上にハードだった。
顧問の講師は怒鳴りつけてくるし、先輩方もかなり厳しく、毎日のように怒られた。


また、まともにバスケなんてやった経験もなかったため、ついにキャプテンから一言。


「お前、向いてないよ。辞めれば?」


奈落の底に突き落とされた気分に陥る。


重い足取りで家路に着き、母親から話しかけられても無視して自室に篭った。


薄暗い部屋の中、僕は発狂するように叫んだ。


「キクショー!!!!!!!!!!!」


腹の底から叫んだので息切れが生じる。
ゲホゴホとむせていると不意に視線を窓に移す。
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