僕だけの窓口女子
「じゃあ、タメなんだ!」


え、と思った。
自分よりもずっと年下だと思ってたのに。


「私もね、同じ13歳」


「じゃあ、クラスは?」


学区が同じだから同じ中学のはずだが、こんな女子が同じ学年にいるなんて知らなかった。


「ううん。私、学校行ってないから」


「不登校か?」


「そうじゃなくて、学校自体通えないの」


どうして、と聞こうとしたが言葉が喉の前で詰まる。

女の子は車椅子に乗っていたのだ。


「君はちゃんと学校に行ってるんだ、えらいね」


「い、いや」


そんな風に言われると苦しくなってしまう。


「部活とか入ってるの?」


「バスケ部入ってるけど、もう辞めようと思って」


「どうして?」


「俺には向いてないから」


女の子はふーんと言って車椅子の背もたれに背中を預け、虚空を見つめる。


「色々話し聞きたかったけど、君が辞めたいならしょうがないよね」


へへっと笑っていたが僕にはとても悲しそうに見えた。
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