ふわふわ恋模様【短編】
昇降口のドアを開けた瞬間、冷たい風が私を包み込む。
寒い……。
ぶるぶるっと体が震え上がる。
ゆっくりと息を吐くと、それに合ったゆっくりとしたリズムで、白い空気が宙に膨らんだ。
よしっ、行こう。
一歩踏み出す度に、さくさくと足元の雪が音を立てる。
何歩か歩いて後ろを振り向いたら、たくさんの私の足跡。
早く帰って、こたつに入りたいな。
なんてのんびりと考えながら、再び前を向いて歩き出した。