天使に花束を
「……付け終わったよ!」
「…ん。ありがとな」
「うんっ!――って遥葵!?」
遥葵はいきなりあたしを抱き締めた。
優しく。
宝物を抱くように。
「――っつ、姫衣っ…姫衣っ」
「…は、る?」
「姫衣っ…好きだ…っ!」
「遥葵…あたしも、あたしも好きだよ…」
――――クイッ
遥葵に顔をあげられる。
どちらかともなく目を閉じ、顔を近付ける。
――――チュ……
あたし達は雪がふわふわ舞うなか甘い甘いキスを繰り返した……