不器用で優しいキミ
キュッキュッ


バンッ!


トスッ


まるでプロの試合みたいだった。


みんなが汗をかいて、体育館の床を擦る音が何度も何度も聞こえた。


「あと十秒だ!!」


お兄ちゃんの顧問の先生の声が聞こえた。


二点差で負けてる…。


「お兄ちゃん頑張れ!」


我を忘れて叫んだ。


そのときこっちを見て笑ったのは…


守先輩だった。


そして彼はまるで周りに誰もいないかのように…


スリーポイントを入れた。


ピッピー


試合終了のホイッスルがなった。


ワァー!!!!


勝った…。


「お兄ちゃん!!」


私は急いでタオルとペットボトルを持って下へ降りていった。


優勝だった。


「お兄ちゃん!!」
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