仮面夫婦
「咲っ!」




その声が誰の声か




すぐにわかった




振りかえったらだめだ




このまま、、、




いかせて、、、




歩みを速めて冷たい水の感覚が腰のあたりまで感じられる




足が水のせいでうまく進まないのに穏やかに見えた波に




体がもっていかれる




「咲!止まれ!」




声が近くなる




「咲!行くな!止まってくれ!」




私の体はもう力が残っていなくて




足がとられて水の中に体がすっぽりと入った
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