仮面夫婦

「俺は、いい父親にはなれないと思う。」


「、、、え？」


「どう接したらいいかわからないんだ」


「私も、、、わからないから、、、いい母親になれないかも、、、」


「でもひとつ自信がある」


不安になった気持ちを抱きながら隆哉を見ると眩しいくらいの笑顔をうかべていた


くしゃくしゃの笑顔


優しさで包み込まれる笑顔


隆哉は私のお腹を優しくさすりながら


「してあげたいことも、一緒にしたいこともいっぱいあるんだ。誰にも負けないくらいいっぱいある」


その細いけどごつごつと骨ばった男らしい手に自然と手を重ねる


「ひとつずつ叶えていこう、一緒に」


「うん」


「敬語じゃないの、やっぱりいいな」


そう言って笑う隆哉は眩しく見えた