旅人の詩
「出国、そして空へ……」
花の国を飛び出し、サラリス達は高く高く高度を上げて行く。
「あとちょいだっ」
「ピィッ」
青い空に飛び出してはいたが、いまだに周りの空気は甘やかだ。
サラリスは小さく鞭入れし、巨鳥をさらに上へと誘わせる。
更に早く。
更に、更に高く。
「ピェェーーーーーーッ!」
巨鳥は大きく鳴くと、たくましい両翼を目一杯羽ばたかせ、そして……
ブワッ!
「あ…………」
高く舞い上がった二人の身を、強い風が吹き抜けていったのだ。