旅人の詩
「へへへっ、兄ちゃんよ。何でそんなイライラしてんだい?」
サラリスの隣に腰かけた農夫の男は、甘いピーナッツティーをズズズと音をたてて飲み干すと、黄ばんだ歯をむいて笑った。
「こんなピーナッツだらけの食事、俺には無理だ……。もう鼻がピーナッツのにおいでもげちまいそうだよ……」
「まあ、ピーナッツの国だしなぁ。兄ちゃん、あんた入国した時この国で肉汁ジュージューのステーキでも出てくるとでも思ったのかい?」
「そうじゃねぇけど、でもさぁ……。なあおっさん、あんたそんなピーナッツクリームのべったりなもん食って、ピーナッツの甘い甘いお茶腹一杯飲んでて、思ったことねぇのか?たまには全く別のもの食いたい、うまい酒飲みたいって思わねぇのか?」