旅人の詩





「どれどれ?うーん……」





男はサラリスの口の中を覗きこむと、小さな声でぶつぶつ呟いている。





「あ、あろー」





口を開けたまま男に声をかけたが、小さく手を振られただけで、まったく話を聞いていないようだ。





男はしばらく治療器具をガサゴソしていたが、大きな針のような物を探しだしてそれをこちらに向けてきた。




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